〇斜視とは何ですか?
●通常、視線は両眼とも同じ場所に向かってそろっています。斜視は、右眼と左眼の視線が違う場所に向かっている状態です。視線のずれの方向によって、内斜視、外斜視、上下斜視、回旋性斜視などがあります。
斜視では、両眼視機能が障害され、立体感覚や奥行き感が低下します。小児では視覚の発達期にあり、この時期に斜視があると、両眼視機能が育たなかったり、弱視になったりします。
大人の場合は、糖尿病、高血圧、脳の疾患などが原因となって急に斜視を来す事があります。その場合は物が二重に見えるような複視を来す事があります。
〇子供の目が内側に寄っているように見えて心配です。
●目が内側に寄っている場合は、内斜視の場合と、実際には内斜視ではないのに顔の形などから内斜視のように見える偽内斜視の場合があります。
内斜視の種類も、
・乳児(先天)内斜視 6か月以内に発症した内斜視
・後天内斜視 生後6か月以降に発症した内斜視
があります。
お子様の後天性内斜視にもいくつか原因があり、
・調節性内斜視 遠視の矯正眼鏡をかけると目の向きのずれがなくなる内斜視
・部分調節性内斜視 眼鏡をかけても目の向きのずれが残る内斜視
などがあります。
見た目の問題だけではなく、斜視が原因で弱視を引き起こしたり、両眼視機能が発達しない場合があります。早期に専門医の診察を受ける事が大切になります。
詳細な視力検査などは3歳程度から可能になりますが、それより小さいお子様も眼位検査や屈折検査などが可能です。
早期に手術が必要となる場合もありますので、ご心配な場合はぜひご相談下さい。
〇時々目線が外に外れてしまうような事があり、気になります。
●目線が外に外れる場合は、外斜視と言います。
この場合のように、外斜視が出現する時と出現しない時があれば間欠性外斜視、いつも外斜視になっていれば恒常性外斜視と呼ばれます。
遠くを見る時に起こると見かけ上問題となったり、近くを見る時に起こると読書がしづらくなります。
起床直後や疲れている時、明るい戸外で起こりやすいのが特徴です。外で片目をつぶりやすくなる場合もあります。
小児では、複視(物が二つに見える)を訴える事が少なく、脳の中で視覚情報を消してしまいます。これは抑制といいます。抑制がかかると両眼視機能が低下し、ボール遊びや平均台が苦手となることもあります。
また、大人の間欠性外斜視の場合は疲れ目の原因となっていることもあります。
治療としては、屈折異常を伴っている場合には眼鏡をかけたり、両眼視機能を強化する機能訓練を行う事もあります。
また角度が大きい場合などは手術適応となる場合もありますので、その場合は斜視手術を得意とする病院をご紹介いたします。
当院では視能訓練士という国家資格を有する専門スタッフが充分時間をかけて、丁寧に検査を行います。
詳しい斜視検査をご希望の場合はご予約をお願いいたします。
また、院長は週に一度大学病院の斜視弱視外来で主に小児の診療を行っています。大学病院と連携しての検査や治療が可能です。ぜひご相談下さい。