
花粉症の時期になると、
- 目がかゆい
- 赤くなる・充血する
- 涙がポロポロ出る
- コンタクトがしみる
といった症状でつらい思いをされる方が多くいらっしゃいます。
こうした花粉による目のかゆみは、
多くの場合「アレルギー性結膜炎」と呼ばれる状態によるものです。
適切な治療と、少しの生活上の工夫で、症状をかなり和らげることができます。
当院では、症状の程度やライフスタイル
(コンタクトレンズの有無、お子さまかどうか、持病の有無など)
に合わせて、目のアレルギーの治療を行っています。
1. こんな症状は花粉症による目のアレルギーかも?
次のような症状がある場合、花粉症などによるアレルギー性結膜炎が考えられます。
- 強い目のかゆみ(こすりたくてがまんできない)
- 白目が赤くなる、充血する
- 涙が出やすい、ウルウルする
- ゴロゴロする・なにか入っている感じがする
- まぶたが腫れぼったい
- 糸を引くような目やにが出る
- コンタクトレンズがしみる・装用しづらい
くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻の症状を同時に伴うことが多いですが、
目の症状だけ強く出るタイプの方もいらっしゃいます。
2. 原因としくみ
スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉が目の表面(結膜)につくと、
体のアレルギー反応が起こり、ヒスタミンなどの物質が放出されます。
これらの物質が、目のかゆみや充血・腫れなどの主な原因になります。
花粉の多い時期だけ症状が出る「季節性アレルギー」と、
ハウスダスト・ダニ・ペットの毛などで一年中続く「通年性アレルギー」があります。
3. 受診の目安
次のような場合は、我慢せず眼科受診をおすすめします。
- 市販の点眼薬・内服薬を使っても良くならない/すぐぶり返す
- かゆみが強く、つい目をこすってしまう
- 充血が強い、痛みを感じる、かすんで見える
- コンタクトレンズが入れられない、外したあともつらい
- お子さまが目をよくこする・まぶたを腫らしている
- アトピー性皮膚炎など、他のアレルギー疾患をお持ちの方
アレルギー以外の結膜炎(細菌性・ウイルス性)や、
角膜の傷などでも似た症状が出るため、
自己判断で放置せず、眼科できちんと診断を受けることが大切です。
4. 検査について
当院では、目の状態に応じて、必要最小限かつ十分な検査を行います。
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細隙灯顕微鏡検査
専用の顕微鏡で、結膜(白目)や角膜(黒目)、まぶたの裏側などを詳しく観察します。
アレルギーによる炎症の程度や、ドライアイ・細菌性/ウイルス性結膜炎・角膜の傷など、他の病気が隠れていないかを確認します。
眼圧検査
(ステロイド点眼を使用する場合)
炎症が非常に強く、ステロイド点眼薬が必要と判断される場合には、使用前に眼圧(目の硬さ)を測定します。
体質によってはステロイドで眼圧が上がりやすい方もいるため、必要に応じて治療中も眼圧をチェックしながら、安全に使用できるようにしています。
アレルギー簡易検査
(イムノキャップラピッド)※ご希望に応じて
指先からごく少量の血液を採り、約20分で結果が分かるアレルギー検査を行うことができます。
スギ花粉やダニ・ハウスダストなど、代表的なアレルゲンに対する反応を調べることで、どのアレルギーが疑われるかの目安になります。
より詳しい血液検査が必要な場合
症状が強い場合や一年中続く場合、また喘息・アトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患が疑われる場合には、より詳しい血液検査が必要になることがあります。
その際は、内科・小児科・耳鼻科・皮膚科などへの受診を**ご提案する場合があります。
**必要に応じて、他科とも連携しながら、治療方針を一緒に考えていきます。
視力検査(必要に応じて)
コンタクトレンズをご使用の方や、お子さま・見え方に気になる症状がある方では、
必要に応じて視力検査を行い、「見えづらさ」がアレルギーによるものか、他の病気によるものかを確認します。
5. 治療の基本
症状や生活スタイルに合わせて、次のような治療を組み合わせます。
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抗アレルギー点眼薬
アレルギーの炎症を抑える点眼薬(抗アレルギー点眼薬)が治療の基本になります。
花粉の飛散が多い時期には、かゆみ・充血を抑えるだけでなく、症状が出る前から予防的に使用することも有効です。
症状がつらいときだけではなく、医師から指示された回数を守って継続して点眼することで、炎症をきちんと抑えやすくなります。
ステロイド点眼薬(必要な場合のみ)
炎症が非常に強い場合、短期間だけステロイド点眼を併用することがあります。
眼圧上昇や白内障などのリスクがあるため、眼科の指示のもとで慎重に使用します。
当院では、ステロイド点眼を使用する際には、必要に応じて眼圧検査を併用しながら安全性を確認します。
内服治療について
目のかゆみには、多くの場合、点眼薬による治療が最も効率的に症状を抑えるとされています。
ただし、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状も強く出ている場合には、内服治療を併用することがあります。
その方の全身状態や、すでに他院で処方されているお薬との兼ね合いも含めて、必要性を判断していきます。
6. 日常生活でできる工夫
お薬とあわせて、次のような工夫をしていただくと、目の負担を減らすことができます。
- 花粉情報をチェックし、飛散の多い日は外出を控えめにする
- メガネや花粉症用メガネを使用して、目に入る花粉を減らす
- こすらず、冷たいタオルで軽くまぶたを冷やすと楽になることがあります
- 帰宅後は、洗顔やシャワーで顔や髪についた花粉を落とす
- コンタクトレンズはできるだけ装用時間を短くし、つらいときは一時的に眼鏡に切り替える
- 洗眼用の液での「洗いすぎ」は、かえって刺激になることもあるため、使い方はご相談ください
「かゆくてもこすらない」ことがとても大切です。
強くこすると角膜に傷がついたり、まぶたが腫れやすくなったりします。
7. 受診・ご相談(初期療法について)
花粉症による目のかゆみや充血は、仕事や勉強の集中力・作業効率の低下につながることが、
国内外の調査で報告されています。
症状をきちんと抑えることで、こうした日常生活への支障を軽くできることが期待できます。
花粉症のシーズンはどうしても憂うつになりがちですが、適切なタイミングで治療を始めることで、
- 仕事や勉強への集中力の低下を防ぐ
- コンタクトレンズ生活をなるべく快適に保つ
- お子さまの目のこすりすぎによるトラブルを予防する
ことが期待できます。
● 初期療法について

毎年、同じ時期になると強い目のかゆみや充血が出てお困りの方には、
花粉が飛び始める少し前から治療を始める「初期療法」をおすすめすることがあります。
スギ花粉などの飛散が本格化する1〜2週間ほど前から抗アレルギー点眼薬を開始することで、
シーズン中の症状を軽くしたり、出始めを穏やかにしたりすることが期待できます。
以前のシーズンに症状が強かった方、コンタクトレンズを日常的に使う方、
お子さまなどでは、「つらくなってから」よりも「つらくなる前」に始めるほうが有効な場合があります。
「今年もそろそろ花粉症の季節だな」と感じたタイミングで、早めに一度ご相談ください。
これまでの症状の経過や生活スタイルを伺いながら、
初期療法を含めた最適な開始時期をご提案いたします。
